2012-01-01から1年間の記事一覧
以前、東野圭吾さんの描写の巧みさに触れたことがあり、その中で物書きの世界では「説明」ではなくて「描写」をすべきと言われると書いた。その二つがもたらす効果の違いを厳密にはわかっていないのは変わっていないが、「描写」が重要なのは、小説を書くと…
以前、ニューヨークは犯罪率が非常に高いことで知られていたが、犯罪を減らすためにニューヨーク市長がしたことが、自動車のガラスを割るといった小さな犯罪を徹底的に取り締まることだったという。この施策はかなり効果があったそうで、その市長の在任中に…
iPhoneのもたらした影響は色々なものがあるが、日本の携帯電話に与えた一つの影響がマニュアルの削減だと思う。スマホしか買ったことがない人にはわからないだろうが、一昔前に携帯電話を買うと分厚いマニュアルが何冊も付いてきた。 一昔前の携帯電話でも機…
自宅の近くで大きな歩道橋を造る工事をしており、その規模の橋になると作業場だけでもかなりの大きさになっていて、作業場を造るだけでもかなりの日数がかかっている。当たり前の話といえばそうなのだが、本体を造る前に作業場が必要ということを感覚的にわ…
iPhone5の地図アプリが、それまでのGoogle Mapsに比べてかなり品質が劣るというのが話題になっている。アプリの機能そのものではなく、単に地図データの問題で、Google Mapsに追い付くのにそれほど時間はかからないという見方もあるが、個人的にはそんなに簡…
他人が映画を観たとか本を読んだとかいうときに、どういう話だった?と聞くことは誰でもあると思うが、その説明がわかりやすいことはあまり多くない。何が原因なんだろうなと思っていたら、これ以上ないほどわかりにくい説明に出会ったので、ちょっとネタに…
東芝でフラッシュメモリーの有名エンジニアだった方が書いた本の中で、日本の会社ではうまくいかなくなった事業部の課長が、同じ課長職で違う事業部に異動するが、こんなことは欧米の会社ではあり得ないと言っていた。欧米の会社では少なくとも降格、多くは…
ロンドンオリンピックも終わってしまったが、ああいう大会でのサッカーのように開催期間が長い競技だと、つくづく一喜一憂してしまうものだなと思う。男子サッカーがエジプトに圧勝したときには、ブラジルとかならまだしもメキシコくらいは余裕で勝てるので…
巷で話題になっている生活保護の制度は、憲法で規定する生存権という人権がベースになっている。この生存権というのは、条文の文章でいえば「誰にでも最低限度の生活を営む権利がある」ということなのだが、どうもこの規定を誤って解釈して生活保護制度が生…
僕は外資系の会社に勤めているのだが、基本的に日常のコミュニケーションは日本語のみで済んでいる。もちろん本国との接点はあるのだが、社内に日本語も英語もできるという人達がいて、その人達が間に入ってくれている。それは非常に助かるのだが、そういう…
iGoogleというサービスを使ったことがあるだろうか。ニュースや天気予報といった色々なガジェットを自由に配置して、自分好みのページを作れるというGoogleのサービスなのだが、これが打ち切りになることが最近発表された。 Googleはあるときまで、半ば野放…
十数年前に「先行者」というものを伝えるサイトが流行ったことがある。この「先行者」というのは中国製のロボットで、アシモやアイボといった日本のロボットに比べて、先行者がいかに遅れたものかを面白おかしく伝えていた。 十数年後の現在になってみると、…
一般に、経済学では税金が上がると消費が減って景気が悪くなると言われる。これは、消費税の増税に反対する論拠の一つにもなっており、景気が良くない現状で増税をしたらますます不況になると主張する人が少なくない。 だが、そう単純な話でもないような気が…
元Microsoftトップエンジニアの中島聡氏のブログに、原発に依存して電力を浪費する暮らしから、農業や自然を大事にする「人間らしい暮らし」に転換しよう、といった趣旨のエントリがあった。 人間らしい暮らしというもの自体が抽象的なので、どちらが人間ら…
今週、インターネットの世界ではかなり歴史的なイベントがあった。それはGoogleなどの大手のサービスがIPv6の運用を開始したこと。インターネットではサイトごとの住所を表すのにIPアドレスというものを使っているが、割り当てられるアドレスが少なくなって…
格安航空会社が「丁寧な言葉を遣わせるような教育はしておりません」などの低品質サービスを宣言したことが、少し話題になっている。この航空会社に乗ってみたいかというと微妙な気持ちもするが、日本のサービス業に新たな概念を持ち込んだことはとても興味…
特攻とは何だったのか作者: 三枝成彰堀紘一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/07/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る会社の研修でなぜか課題図書になったので、読んでみた(というより読まされた)。以前に「永遠の0」(百田尚樹著)を読…
家の壁紙を張り替えることになり、職人さんに来てもらって色々話をしたのだが、その職人さんがこんなことを言っていた。「エアコンのある面の壁紙を張り替えるときって、大概の職人はエアコンを取り外さず、その周りで型を取ってやってしまうんですよ。エア…
以前、僕がコンサル的な仕事をしていたときに先輩から「俺たちは日本語で飯を食ってるのだから、日本語の一つ一つにこだわらなければダメだ」と言われたことがある。正直、言われた当時はよく意味がわからなかった。というか、多少の反発心があった。別に自…
僕はもともと東野圭吾さんのファンなのだが、最近ふと思い立って「白夜行」という昔の作品を読み返していた。読むのが二度目なのにもかかわらず非常に面白かっただけでなく、「描写」というのがどういうものなのかを強く考えさせられた。 この「白夜行」とい…
日露戦争にはなぜ勝てて、対米戦争にはなぜ勝てなかったという考察はよく行われており、色々な原因が挙げられてはいる。細かい原因を挙げたらキリがないが、そもそも対米戦争には「勝利のイメージ」がなかったという点が大きいと僕は思う。 日露戦争では、「…
物事の本質を認識するということは、僕の人生の大きなテーマで、日頃から結構意識しているのだが、最近それに加えて「できるようになりたいな」と思うことがある。それは、物事を階層的に把握するということ。 階層的というのは、たとえばシステムでいえば、…
僕は新卒の就職活動のときに、東京電力も受けた。もちろん、それ以外にも色々受けたが、基本的に安定志向で、銀行とか鉄道とか、そんな会社を志望していた。結果的に早めに内定が決まった銀行に入ったのだが、当時を振り返って、東電を選ばなくてよかったと…
SNSにとって最も重要な要素は何かと言ったら、当たり前のようだが「多くの人がそこにいること」である。これがメールソフトなどのアプリであれば、他の人と異なる使いやすいものを自分だけが使うということもできるが、SNSばかりはそうはいかない。どんなに…
僕はクラシック音楽にさほど興味がある訳でもないのだが、オーケストラというのはよくできた組織だなと思っている。それは、単にオーケストラがまとまっているというだけではなく、それぞれのパートを育成する仕組みがうまくできているということなのだが、…
僕は会社ではヒラの担当者なので、何かやるときにはチェックやレビューしてもらって承認してもらうということが多い。それ自体は別にいいのだが、承認してもらったことで何かトラブルが起きても、チェックした人に責任を感じてさえもらえないことが結構多い…
自分が言われて嬉しい言葉には何があるだろうか?「ありがとう」とか「カッコいいよね」とか僕も色々あるのだが、こと仕事に限れば最も嬉しい言葉というのは自分の中で決まっている。 それは、「任せる」という言葉。口でどれだけ褒められたり信頼されている…
動くものにはアクセルとブレーキが付いているが、アクセルだけでブレーキがなければ止まれないから意味がない、ブレーキだけでアクセルがなければ走らないから意味がない。 だからどっちも大事、というのは子供でもわかる話なのだが、究極的にどっちの方が大…
FacebookなどのSNSではセキュリティに関して細かく設定できることが多い。自分のプロフィールや投稿を誰にまで見せるかといったことや、自分の行動をどこまでオープンにするかなど、なかなか全てを使い切れないくらいに設定が豊富である。ただ少し困るのが、…
今ではすっかり勢いを失ってしまった消費者金融だが、勢いを失う契機になったのはグレーゾーン金利が突然認められなくなったことだった。グレーゾーン金利とは民法が定める上限金利と利息制限法が定める上限金利の間の金利のことを言う。長年、この扱いは明…