雑談

創作者となる必要条件

佐村河内氏の一件以来、ゴーストライターというのが色々話題になっている。元ライブドア社長の堀江氏の本は本人が全く書いていないと、表紙絵を描いた漫画家の方が告発したりと巷で盛り上がっていた。佐村河内氏の件では、耳が聞こえないと偽っていたことは…

非国際化の恩恵

少し前に、フランスが富裕層向けの課税を強化するといった報道が出ていた。フランスも国家財政はあまり余裕がなく、その穴埋めのため、大きな反発の出にくい金持ちから取ろうという発想らしい。この政策に対して、富裕層が国外に大量流出してしまうのではと…

メッセンジャーは悪くない

元米国務長官のコリン・パウエルが何かの講演で「Don't shoot a messanger」と語っていたのをふと思い出した。意味は文字通り「報告者を責めてはいけない」ということだが、最近自分自身が報告者にきつく当たってしまったことが何度かあった。 自分にとって…

クラウドソーシング時代のサバイバル術

最近巷で少し話題になっている単語で、「クラウドソーシング」というものがある。有名ブロガーのちきりんさんが取り上げたことや、ヤフーが「Yahoo!クラウドソーシング」というサービスを本格的に開始したことなどが、この話題に火を付けた。 クラウドソーシ…

伝え方が?割

電車の中で「伝え方が9割」という本の広告を見た。常々、物事をどう伝えるかって大事だよなと思っていたので、その本の題名に共感する一方で、自分の中にどこか納得できないというか腑に落ちない気持ちが残っていた。 腑に落ちないモヤモヤは何なのだろうと…

プラスαにこそ

ランチにサービスで出てきたデザートがあまり美味しくなかったなんて経験は、誰でも多少あると思う。また、6/26(水)とメールに書いてあって日付と曜日が食い違っていたなんてことも、多くの人が経験することだと思う。 全くつながりがないような二つのケース…

欲望の力

豊臣秀吉の逸話の一つで僕が好きなものが、備中高松城を水攻めにする準備をしているときに、大量の土嚢を一気に運ぶために、ただの運搬作業に破格の報酬を出したというものがある。この報酬の話を聞きつけて、近隣から大量の農民が農作業を放ったらかしてや…

女性的とかけて

相手が男性でも女性でも、ときに「女のようなものの言い方だな」とか「この人は女性的な性格だな」と思うことがある。多少差別的な表現であるのは間違いないが、女性が男性を見るときにも「女っぽい」と思うことがあるようなので、ある程度の共通認識は得ら…

ジャストインタイム

カンバン方式の生みの親である大野耐一氏の著書の中に、「モノだけでなく情報もジャストインタイムでなければならない。必要になる情報だからといって早く伝えればいいというものではない」といった趣旨の記述があった。著書を読んだ当時はそれほど気に留め…

生き方の描写

以前、東野圭吾さんの描写の巧みさに触れたことがあり、その中で物書きの世界では「説明」ではなくて「描写」をすべきと言われると書いた。その二つがもたらす効果の違いを厳密にはわかっていないのは変わっていないが、「描写」が重要なのは、小説を書くと…

大は小を兼ねず

以前、ニューヨークは犯罪率が非常に高いことで知られていたが、犯罪を減らすためにニューヨーク市長がしたことが、自動車のガラスを割るといった小さな犯罪を徹底的に取り締まることだったという。この施策はかなり効果があったそうで、その市長の在任中に…

携帯電話のマニュアル

iPhoneのもたらした影響は色々なものがあるが、日本の携帯電話に与えた一つの影響がマニュアルの削減だと思う。スマホしか買ったことがない人にはわからないだろうが、一昔前に携帯電話を買うと分厚いマニュアルが何冊も付いてきた。 一昔前の携帯電話でも機…

作業場の感覚

自宅の近くで大きな歩道橋を造る工事をしており、その規模の橋になると作業場だけでもかなりの大きさになっていて、作業場を造るだけでもかなりの日数がかかっている。当たり前の話といえばそうなのだが、本体を造る前に作業場が必要ということを感覚的にわ…

結果責任

東芝でフラッシュメモリーの有名エンジニアだった方が書いた本の中で、日本の会社ではうまくいかなくなった事業部の課長が、同じ課長職で違う事業部に異動するが、こんなことは欧米の会社ではあり得ないと言っていた。欧米の会社では少なくとも降格、多くは…

目線のベクトル

ロンドンオリンピックも終わってしまったが、ああいう大会でのサッカーのように開催期間が長い競技だと、つくづく一喜一憂してしまうものだなと思う。男子サッカーがエジプトに圧勝したときには、ブラジルとかならまだしもメキシコくらいは余裕で勝てるので…

生存権の誤解釈

巷で話題になっている生活保護の制度は、憲法で規定する生存権という人権がベースになっている。この生存権というのは、条文の文章でいえば「誰にでも最低限度の生活を営む権利がある」ということなのだが、どうもこの規定を誤って解釈して生活保護制度が生…

日本語のハードルを下げる

僕は外資系の会社に勤めているのだが、基本的に日常のコミュニケーションは日本語のみで済んでいる。もちろん本国との接点はあるのだが、社内に日本語も英語もできるという人達がいて、その人達が間に入ってくれている。それは非常に助かるのだが、そういう…

先行者のその後

十数年前に「先行者」というものを伝えるサイトが流行ったことがある。この「先行者」というのは中国製のロボットで、アシモやアイボといった日本のロボットに比べて、先行者がいかに遅れたものかを面白おかしく伝えていた。 十数年後の現在になってみると、…

駆け込み需要の経済学

一般に、経済学では税金が上がると消費が減って景気が悪くなると言われる。これは、消費税の増税に反対する論拠の一つにもなっており、景気が良くない現状で増税をしたらますます不況になると主張する人が少なくない。 だが、そう単純な話でもないような気が…

坊主憎けれゃ

元Microsoftトップエンジニアの中島聡氏のブログに、原発に依存して電力を浪費する暮らしから、農業や自然を大事にする「人間らしい暮らし」に転換しよう、といった趣旨のエントリがあった。 人間らしい暮らしというもの自体が抽象的なので、どちらが人間ら…

Service Level Agreement

格安航空会社が「丁寧な言葉を遣わせるような教育はしておりません」などの低品質サービスを宣言したことが、少し話題になっている。この航空会社に乗ってみたいかというと微妙な気持ちもするが、日本のサービス業に新たな概念を持ち込んだことはとても興味…

職人の生きる道

家の壁紙を張り替えることになり、職人さんに来てもらって色々話をしたのだが、その職人さんがこんなことを言っていた。「エアコンのある面の壁紙を張り替えるときって、大概の職人はエアコンを取り外さず、その周りで型を取ってやってしまうんですよ。エア…

日本語で飯を食う

以前、僕がコンサル的な仕事をしていたときに先輩から「俺たちは日本語で飯を食ってるのだから、日本語の一つ一つにこだわらなければダメだ」と言われたことがある。正直、言われた当時はよく意味がわからなかった。というか、多少の反発心があった。別に自…

描写の天才

僕はもともと東野圭吾さんのファンなのだが、最近ふと思い立って「白夜行」という昔の作品を読み返していた。読むのが二度目なのにもかかわらず非常に面白かっただけでなく、「描写」というのがどういうものなのかを強く考えさせられた。 この「白夜行」とい…

勝利のイメージ

日露戦争にはなぜ勝てて、対米戦争にはなぜ勝てなかったという考察はよく行われており、色々な原因が挙げられてはいる。細かい原因を挙げたらキリがないが、そもそも対米戦争には「勝利のイメージ」がなかったという点が大きいと僕は思う。 日露戦争では、「…

レイヤー思考

物事の本質を認識するということは、僕の人生の大きなテーマで、日頃から結構意識しているのだが、最近それに加えて「できるようになりたいな」と思うことがある。それは、物事を階層的に把握するということ。 階層的というのは、たとえばシステムでいえば、…

安定の代償

僕は新卒の就職活動のときに、東京電力も受けた。もちろん、それ以外にも色々受けたが、基本的に安定志向で、銀行とか鉄道とか、そんな会社を志望していた。結果的に早めに内定が決まった銀行に入ったのだが、当時を振り返って、東電を選ばなくてよかったと…

オーケストラの指揮者

僕はクラシック音楽にさほど興味がある訳でもないのだが、オーケストラというのはよくできた組織だなと思っている。それは、単にオーケストラがまとまっているというだけではなく、それぞれのパートを育成する仕組みがうまくできているということなのだが、…

ハンコを捺したなら

僕は会社ではヒラの担当者なので、何かやるときにはチェックやレビューしてもらって承認してもらうということが多い。それ自体は別にいいのだが、承認してもらったことで何かトラブルが起きても、チェックした人に責任を感じてさえもらえないことが結構多い…

言われて嬉しい言葉

自分が言われて嬉しい言葉には何があるだろうか?「ありがとう」とか「カッコいいよね」とか僕も色々あるのだが、こと仕事に限れば最も嬉しい言葉というのは自分の中で決まっている。 それは、「任せる」という言葉。口でどれだけ褒められたり信頼されている…