ハンコを捺したなら

僕は会社ではヒラの担当者なので、何かやるときにはチェックやレビューしてもらって承認してもらうということが多い。それ自体は別にいいのだが、承認してもらったことで何かトラブルが起きても、チェックした人に責任を感じてさえもらえないことが結構多い。


多少グチのような話になってしまうが、承認・否認の権限を持っている人が、承認したことの結果に対して責任を負わないのなら、その判断に一体何の意味があるのだろう。承認した以上はその責任を基本的に承認者が負うべきで、それくらいの覚悟をもってチェックしなければ、意味のあるチェックにならない。


福島の原発事故にしても、経産省保安院のチェックを東電が適正に受け、承認されたプロセス通りに運営していたなら、事故の責任を第一に問われるべきはチェックした側だと思う。だが、現実は東電に非難が集中し、下手すると経産省は責任を感じるどころか非難する側になっている。


何か問題が起きると、チェックや監視を強化するという話になるが、プロセスを増やすだけでは無駄な会議やドキュメントが増えるだけ。チェッカーに責任とそれに見合う報酬を与え、その責任を負うことができない人は、どんなに経験があってもチェッカーにしない。それによってチェックが厳しくなるかもしれないが、誰にチェックしてもらうのかが明確になった方が、担当者は仕事がしやすくなる気がする今日この頃。