先行者のその後

十数年前に「先行者」というものを伝えるサイトが流行ったことがある。この「先行者」というのは中国製のロボットで、アシモやアイボといった日本のロボットに比べて、先行者がいかに遅れたものかを面白おかしく伝えていた。


十数年後の現在になってみると、残念ながら時代は変わってしまったなあと思わざるを得ない。特にこの一、二年は、日本人が日本製の物に対する誇りを急激に失ってしまったように感じる。日本人が韓国企業の携帯電話を使うなんて一昔前は想像もできなかったし、iPhoneを実際に作っているのは「先行者」でバカにしていた中国の企業である。


もちろん、東芝フラッシュメモリーをはじめとして部品の面では日本製の物も存在感を発揮しているが、ただやはり最終製品での存在感が低下したことは小さな影響ではない。このままいくと、いつか自動車までもが韓国製などに押されて、ヒュンダイの自動車が日本の道に溢れるなんてことも起きるかもしれない。


天然資源に乏しい日本が、工業製品で外貨を稼げなくなると、食料やエネルギー資源を買えなくなってしまうのではないかと将来を危惧してしまう。消費税を上げて財政を立て直すというのも重要なことだが、日本という国がどういう手段で世界から金を稼いでいくのかということを真剣に考えないと、貧乏な国になっていく一方だと思う今日この頃。