生存権の誤解釈

巷で話題になっている生活保護の制度は、憲法で規定する生存権という人権がベースになっている。この生存権というのは、条文の文章でいえば「誰にでも最低限度の生活を営む権利がある」ということなのだが、どうもこの規定を誤って解釈して生活保護制度が生まれたような気がしてならない。


生存権の規定は、誰しもが最低限度の生活を営むことを他者から侵害されないということだと思う。例えば、全体利益のために、ある特定の集団に、限度を超える不利益を強要するような制度を政治家が作ってはいけないというようなことを意味する。何も侵害されていないのに、自立しようとしない人が「自分にも最低限度の生活を送る権利がある」と主張するのは明らかにおかしいし、そういう制度を作ってしまったのは法律解釈の誤りだと思う。


こういうことを言うと、「では稼げない人は死ねっていうことか」という意見を受けるが、極論すればそれを否定しない。生きるための苦労をせず、ただ他人に依存するというだけの人を、社会が養う意味はないと思う。もちろん、そういう人たちの生活を放置すれば犯罪が増えるといった負の側面はあるが、それは犯罪抑止などの別の観点で考えられるべきことで、野放しにできないから保護するという論理は成り立たない。


動物でも植物でも、自分で生き抜く術を探さないものは自然に淘汰される。人間だって同じことで、自然の原則に反する制度は持続できないはず。