iPhoneとGoogle Maps

iPhone5の地図アプリが、それまでのGoogle Mapsに比べてかなり品質が劣るというのが話題になっている。アプリの機能そのものではなく、単に地図データの問題で、Google Mapsに追い付くのにそれほど時間はかからないという見方もあるが、個人的にはそんなに簡単にはいかないような気がする。


世界中から膨大な地図データを集め、それをアプリの機能と連動させるというのは、情報の整理の面で容易なことではない。そういう意味で今回の話は、Googleの技術力、とりわけ大量データを扱う力の高さを示していると思う。Street Viewにしても、やっていること自体は単純だが、世界中で撮った写真を繋ぎ合わせ、それを地図と連動した形で表示するのは相当な情報整理が必要になる。


あくまで僕の個人的な意見だが、世界最高のクライアントアプリはExcelで、世界最高のWebアプリはGoogle Mapsだと思う。Google Mapsを初めて見たときの衝撃は、今でも忘れられない。本来は静的な表現しかできなかったWebアプリを、Ajaxという技術を駆使して、動的に動かしてみせた。
いかにアップルと言えども、高機能なWebアプリを作る力ではまだGoogleに及ばない。


一昔前、アップルが倒産寸前まで落ち込んだ頃に、ジョブズが打った起死回生の策がMac上でMicrosoftのOfficeを動くようにしたことだった。結果的にそれがアップル復活の転換点になったが、今回の地図アプリの入れ替えが、もしかしたら何かの転換点になるのかもしれない。