特攻とは何だったのか

特攻とは何だったのか作者: 三枝成彰堀紘一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/07/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る会社の研修でなぜか課題図書になったので、読んでみた(というより読まされた)。以前に「永遠の0」(百田尚樹著)を読…

職人の生きる道

家の壁紙を張り替えることになり、職人さんに来てもらって色々話をしたのだが、その職人さんがこんなことを言っていた。「エアコンのある面の壁紙を張り替えるときって、大概の職人はエアコンを取り外さず、その周りで型を取ってやってしまうんですよ。エア…

日本語で飯を食う

以前、僕がコンサル的な仕事をしていたときに先輩から「俺たちは日本語で飯を食ってるのだから、日本語の一つ一つにこだわらなければダメだ」と言われたことがある。正直、言われた当時はよく意味がわからなかった。というか、多少の反発心があった。別に自…

描写の天才

僕はもともと東野圭吾さんのファンなのだが、最近ふと思い立って「白夜行」という昔の作品を読み返していた。読むのが二度目なのにもかかわらず非常に面白かっただけでなく、「描写」というのがどういうものなのかを強く考えさせられた。 この「白夜行」とい…

勝利のイメージ

日露戦争にはなぜ勝てて、対米戦争にはなぜ勝てなかったという考察はよく行われており、色々な原因が挙げられてはいる。細かい原因を挙げたらキリがないが、そもそも対米戦争には「勝利のイメージ」がなかったという点が大きいと僕は思う。 日露戦争では、「…

レイヤー思考

物事の本質を認識するということは、僕の人生の大きなテーマで、日頃から結構意識しているのだが、最近それに加えて「できるようになりたいな」と思うことがある。それは、物事を階層的に把握するということ。 階層的というのは、たとえばシステムでいえば、…

安定の代償

僕は新卒の就職活動のときに、東京電力も受けた。もちろん、それ以外にも色々受けたが、基本的に安定志向で、銀行とか鉄道とか、そんな会社を志望していた。結果的に早めに内定が決まった銀行に入ったのだが、当時を振り返って、東電を選ばなくてよかったと…

Googleのジレンマ

SNSにとって最も重要な要素は何かと言ったら、当たり前のようだが「多くの人がそこにいること」である。これがメールソフトなどのアプリであれば、他の人と異なる使いやすいものを自分だけが使うということもできるが、SNSばかりはそうはいかない。どんなに…

オーケストラの指揮者

僕はクラシック音楽にさほど興味がある訳でもないのだが、オーケストラというのはよくできた組織だなと思っている。それは、単にオーケストラがまとまっているというだけではなく、それぞれのパートを育成する仕組みがうまくできているということなのだが、…

ハンコを捺したなら

僕は会社ではヒラの担当者なので、何かやるときにはチェックやレビューしてもらって承認してもらうということが多い。それ自体は別にいいのだが、承認してもらったことで何かトラブルが起きても、チェックした人に責任を感じてさえもらえないことが結構多い…

言われて嬉しい言葉

自分が言われて嬉しい言葉には何があるだろうか?「ありがとう」とか「カッコいいよね」とか僕も色々あるのだが、こと仕事に限れば最も嬉しい言葉というのは自分の中で決まっている。 それは、「任せる」という言葉。口でどれだけ褒められたり信頼されている…

アクセルとブレーキ

動くものにはアクセルとブレーキが付いているが、アクセルだけでブレーキがなければ止まれないから意味がない、ブレーキだけでアクセルがなければ走らないから意味がない。 だからどっちも大事、というのは子供でもわかる話なのだが、究極的にどっちの方が大…

仮想世界の意外な現実

FacebookなどのSNSではセキュリティに関して細かく設定できることが多い。自分のプロフィールや投稿を誰にまで見せるかといったことや、自分の行動をどこまでオープンにするかなど、なかなか全てを使い切れないくらいに設定が豊富である。ただ少し困るのが、…

グレーゾーン

今ではすっかり勢いを失ってしまった消費者金融だが、勢いを失う契機になったのはグレーゾーン金利が突然認められなくなったことだった。グレーゾーン金利とは民法が定める上限金利と利息制限法が定める上限金利の間の金利のことを言う。長年、この扱いは明…

Completed Vision

どの会社にも、会社のビジョンというのはあると思う。「日本の食卓に夢を」みたいな抽象的なものから、「世界で五指に入る金融機関」みたいな具体的なものまで色々だが、多くの場合、一見実現不可能に思えるくらい壮大なものが多い。ただ、中にはその壮大な…

沈黙の多数派

最近の一年間、住んでいるマンションの理事をしていたのだが、その仕事の中で色々気付いたことがある。マンションのちょっとした補修の話だと、多くの人はそんなに興味がなく、「どっちでもいいから早くやってくれ」といった感じのスタンスなのだが、ごく一…

厚化粧の文章

僕は新卒で銀行に入ったのだが、入社してみて非常に驚いたことが、社内で使う文章が文語調でとても格調高いということだった。例をあげればキリがないのだが、稟議書に「親会社の支援姿勢は依然として強固であることに鑑み」とか「本件実行による利鞘確保は…

車線のジレンマ

ゲーム理論に「囚人のジレンマ」という有名なテーマがある。二人の共犯が警察に囚われた際、二人とも黙秘を続けるのがベストなのだが、自分だけ黙秘をして相手が裏切って自白した場合のデメリットが非常に大きいと、相手の裏切りを恐れて二人とも自白してし…

聞く、笑う、ツナグ。

聞く 笑う、ツナグ。作者: 高島彩出版社/メーカー: 小学館発売日: 2011/12/19メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 74回この商品を含むブログ (13件) を見るめざましテレビに出ていた時代から、僕は高島彩さんをとても尊敬していて、そんな彼女の本が出たと…

固定費の呪縛

家電メーカーの赤字決算が次々に出ている。ソニーのテレビ事業は何年も続けて赤字、といったニュースを聞くと、何でそんな事業から撤退せずに赤字を垂れ流しているのか、と疑問にも思う人もいるのだが、ここでの「赤字」というのは「損が出ている」というこ…

美しすぎると

中島聡氏のブログに「美しく磨き上げられたiPhoneに、わざわざ醜いケースをする意味などない」という趣旨のエントリが載っていた。僕はiPhoneではなくiPod touchユーザーなのだが、ケースは付けて持ち歩いており、よくよく見てみると何も付けない方が美しい…

Life is limited

僕は高校生の頃に、かなり深い悩みを抱えたことがあり、そのとき「きっと生きていてもつらいことの方が多いし、いっそ自殺してしまおう」と何度か本気で考えた。その頃に見たあるテレビ番組の一節が、今でもとても印象に残っており、結果的には僕の人生を大…

Vertical or Horizontal

スティーブ・ジョブズの伝記の後半に、ビル・ゲイツと語り合うというシーンがある。そのときに、ゲイツは「ソフトウェアをオープンに広める水平型アプローチが最善だと思ってきたが、アップルのクローズドな垂直型アプローチの方がすごい製品を生み出せる場…

目クソ鼻クソ

IT部門にいると日常的に耳にする言葉が、「ユーザーはシステムのことを全然わかってない」「ユーザーはアホ」というもの。確かにユーザー部門から無理難題を言われることもあるし、能力的にあまり高くないと思えるユーザー部門の人もいることはいる。 だが、…

極刑≠死刑

以前にも、法務大臣が死刑への署名を拒むのはおかしいという趣旨のエントリを書いたが、現在の法務大臣は「死刑制度に賛否がある限りは、死刑を執行すべきでない」という責任逃れの発言をしているらしい。この大臣の言うことが正しいとすると、消費税には賛…

三つ子の魂

僕には子供がいないが、甥っ子や姪っ子は何人かおり、その子たちと過ごす時間が正月は多かった。その子たちが親から言われていることを聞いていると、生きるうえで大切なことは、ほとんど子供のときに教わっているのだなあと感じる。 「約束を守りなさい」と…

トリビアでないトリビア

昨年くらいから「課題設定」というのを、自分のテーマの一つにしている。 これは、課題を解決しようとする前に、解決すべき意味のある課題をきちんと設定するということだが、課題設定のよい例だなというものを年末年始のテレビ番組の中で目にした。 それは…

たかが、されど、(続)

何回か前に「読点はなるべく多めの方がいい」という趣旨のエントリを書いたのだが、 数人の知り合いから「読点が多いと、意味の切れ目はわかりやすくはなるけど、読むときにスラスラ読めなくなるので、一概にいいとは言えないよ」というフィードバックをもら…

離党の計算

八ッ場ダムの工事再開や、消費増税の検討などで、民主党を離党する議員が相次いでいる。与党の中で大した働きもせずに、方向性が自分と異なったらすぐに離党、というのもどうかと思うが、政治家の思いを考えれば、ある面で合理的な行動なのかなとも思う。 政…

ゆとりゲーム世代

「ゆとり世代」という言葉がよく使われるようになっていて、そのほとんどは根性がないなどの悪い意味で使われている。そういうイメージを世間に与えてしまっただけでも、ゆとり教育の罪は大きいが、教育以外にもゆとりになっているものが結構多いかもと、と…