勝とうとしない麻雀

僕は全然、麻雀が強くないが、麻雀というのは基本的に他人に振り込ませるゲームで、そのために相手の考えを読んだりするらしい。
それだけに、すごい金持ちで「別に勝ったって負けたって関係ない」という人がいたりすると、ゲームにならなくなるらしい。


それは、みんなが役を作るため、他人に振り込まないようにしているという、読み合いの共通前提がなくなってしまうから。
麻雀では、さすがに勝ち負けを気にしない人なんて、ほとんといないが、今の社会は、結構、この「ゲームにならない麻雀」の状態に似ているような気がする。


資本主義社会は、基本的に、みんなが豊かになりたい、偉くなりたい、と思うというのを前提としている。多くの人が、ほどほどでいいや、と思ってしまうことは、この前提が崩れることを意味する。豊かになっても税金で取られる、偉くなっても批判ばかりされる、というのでは誰も上昇志向を抱かなくなり、資本主義というゲームが成立しなくなる。


僕自身も、それほど欲が強い方ではないが、少なくとも上昇志向が報われるようにはしなければいけないし、成功者を賞賛していかなければいけないと思う。
麻雀と違って、競争に勝った人は、社会になんらかの価値を還元してくれるのだから。