おもしろきこと

高杉晋作の辞世の句は、「おもしろき こともなき世を おもしろく 住みなすものは 心なりけり」というもので、初めてこの句を知ったときには、とても感心させられた。


昔は僕も、毎日同じような仕事の繰り返しでつまらないなあと思っていたのだが、少しやり方を変えたりすると、面白く感じることに気付いた。
結局、誰かが決めた手順の通りにやっていれば、すぐに飽きてしまう。自分なりの工夫を加えるところに、面白さがあるはずで、これは仕事だけでなく、遊びでも動揺だと思う。


高杉晋作は、長州藩の上級武士の家に生まれ、別に無難な人生を送ることだってできた。他の人が、高杉晋作の境遇に生まれれば、「おもしろきこともなき世」だっただろう。
それを、百年後も語り継がれる人生にしたのは、境遇ではなく、高杉晋作の「心」だったのだと思う。


世の中には、つまらないことも、おもしろいこともない。それをつまらなく感じたり、おもしろく感じたりする自分がいるだけ。