Give & Take

前に沖縄に旅行に行ったときに、ひょんなことから、地元の人たちと一緒に大勢で飲む機会があった。僕は、その人たちと親しくなろうと思って、「沖縄ではどういうところに行ってみた」とか、「沖縄の好きな場所」とかを話していたのだが、その中の一人から、「あんさんの住んでるところの話を聞かせてよ。沖縄のことは、うちらはイヤというほど知ってるから」と言われて、ハッとさせられた。


人は、自分が知らないことを話してもらえる方が、刺激を受けることができる。僕にとっては、東京での仕事の話など、日常の出来事でしかないが、彼らにとっては、非日常の刺激的な話になり得る。


同じことは、外国に行ったときでも言えるのだと思う。現地の人と仲良くなるためには、その国の言語を学んで、その国の文化を理解して、と思いがちだが、それだけでは足りない。
彼らが期待するのは、遠く離れた日本での生活や文化がどういうことかを、話してくれることだと思う。


前述の沖縄の飲み会でハッとさせられたのは、自分も何か情報を提供すべきだということとともに、自分が普段生活している地域のことを、あまり語れなかったこと。自分が住んでいるところはどういうところか、日本とはどういう国なのか、そういうことを普段から語れるようにしておかないと、異文化コミュニケーションはできないのかもしれない。