民意って

Microsoftの著名エンジニアだった中島聡氏が、最近、自身のブログで「脱原発」を主張していて、ちょっとした話題になっている。


同氏の主張は、脱原発から発展して、それを実現するための政党構想などにも及んでいて、興味深い。
ただ、一点気になるのが、同氏は「民意は脱原発を望んでいる」ということを証明不要の事実としており、それが主張のベースになっている点。
もちろん、脱原発を望んでいる人は少なくはないのだろうが、果たして確実な民意とまで言えるのだろうか。


原発事故以来、東電は相変わらず強い批判を受けているが、原発が存在したことそのものが間違いだったのなら、その判断の責任は東電にはない。多くの人は、原発という高リスクなものに対する、東電のオペレーション品質の低さに怒りを感じているのではないだろうか。
だとすると、民意が望んでいるのは、原発運営オペレーション品質の向上なのではないだろうか。


いずれにしても、民意というのは一元化できるほど単純なものではない。官僚の意見だって、経団連会長の意見だって、間違いなく一つの民意なのだから。