大学生のノリ

民主党政権が誕生してから、2年弱が経つが、その評価は残念ながらほぼ固まってきてしまった。鳩山政権の発足当初は、国民全体が政権交代に大きな期待を寄せたが、その後の鳩山首相の度重なる失策、そして菅政権の迷走で、もはや民主党政権を高く評価する人は、ほとんどいない。(強いて言えば、自民党政権のままでも同じようなものだった、という評価はあるが・・・)


民主党政権のやり方を見ていると、幼いというか、どこか大学生のノリ的なところがあるように感じる。というのは、僕自身も、大学生のときは、民主党政権と同じようなことを考えていた時代があった。「正しいことを言えば、みんな納得してくれるはず。根回しなんて必要ない」「実現性など確認しなくたって、まずは目標を高く掲げるべき。どうやるかは、後で考えればよい」などなど。


僕も社会人生活を10年以上経て、それらの考え方の多くが間違っていたことに気づいた。万人にとって「正しい」ことなんて何もないし、意見調整しなければ物事は何も進まない。何をするかというビジョンだけで、確固たるプランがなければ、何も実現できない。
幼稚な集団に政権を任せてしまった責任は、もちろん僕ら一人一人にあるのだが、多くの国民の思いは「彼らならば絶対信頼できる」というのではなく、「とりあえずできると言っているし、ちょっとやらせてみよう」くらいのものだったはず。


民間の契約では、新業者を選定する際には、まず短期間、小規模な仕事をまかせてみて、その評価で長期契約を結ぶかどうかを判断することが多い。そういった制度が政治にあってもいいのではないかなと思う。首相は短期間でコロコロ変わるが、政権は4年間変わらない、というのでは何だか整合性が取れていない気がする今日この頃。