五人組

震災の後の、非常時であっても整然とした日本人の行動を見ると、日本人というのは、よくも悪くも、集団の空気に従う民族なのだと思う。
第二次大戦時の軍国主義は、その集団意識が悪い方に出た例だが、今回の震災のように、自分本位に走らず、秩序立った行動を取れるという良い面もある。


その日本人の集団意識が、どのように生まれたのかと歴史を考えると、江戸時代の五人組という制度が、強い影響を与えたような気がする。
五人組というのは、近隣に住む五世帯を一つのグループとし、何か問題が起きた際には、全員に連帯責任を取らせるという制度。


この五人組という制度も含めて、江戸時代の社会制度は、よく作られていたものが多い。初期の家康や家光の功績によるところが大きいが、一つの体制が260年続いたということは、非常に偉大だと思う。


会社やプロジェクトでも言えることだが、トップがうまい仕組みを作れるかどうかということは、そこに属する人の人生に大きな影響を与える。
最小不幸社会」を実現するための仕組みは、何か考えていたのだろうか。そもそも、最小不幸というのが、社会全体の総和なのか、一定水準の幸福を得られない人の頭数なのか、今でもよくわからないが(笑)。