ファミレス店長のマネジメント力

日本はよく、「現場の人は優秀だが、経営などマネジメント層が弱い」と言われる。ただ、現場が優秀だとマネジメントが弱くなるのは、ある種の必然ではないかと思う。


現場が優秀ということは、明確な指示がなくても、自分で考えて動いてくれ、しかも日本の多くの社員は、残業など労働時間が増えることも、あまり嫌がらない。
こんな状況では、マネジメント力が育つはずがない。部下に適当に仕事を投げ、問題が起きれば残業させて対処する。そして、「最近の連中は、指示待ちで困る」と愚痴を言う管理職の出来上がりである。


これと対極の環境の一つが、ファミレスだと思う。働いている人の多くはアルバイトで、明日突然来なくなるかもしれない人ばかり。残業なんてするはずもない。新しく入った人は、一から十まで指示を与えなければ、動かない。
こういう環境であれば、嫌でも人をうまく動かすためにどうすべきかを考えることになる。
個人的な推測だが、普通の会社の課長よりも、普通のファミレス店長の方が、マネジメント力は高いと思う。


ドラッカーのマネジメントを読むより、一年くらいファミレス店長をやってみた方が、マネジメント力が伸びるような気がする今日この頃。