(中国 + 日本)÷ 2 =?

中国はもともとは社会主義を目指した国だったはずだが、現在は資本主義的要素を取り入れ、「国家資本主義」とも言える新たな制度を作っている。本来の資本主義は、経済活動が自由であることが重要であり、国家はその自由を守るために存在するのだが、中国の国家資本主義では、国家が経済活動をある程度、統制し、限定的な自由のなかで経済活動を行っている。


中国国内では、この制度が効果をあげている一方で、色々なひずみも出ているようなのだが、この「国家資本主義」は日本人にかなり適合する制度ではないかと、最近思っている。
皮肉な意味ではなく、日本人の多くは、経済活動が完全に自由であることを求めていない。自分ですべてのリスクを負い、リターンを追求するのでなく、国家の補助や規制を求めてリスクを減らし、その分、限られたリターンで満足する。


歴史的に見ても、日本は、一般市民が革命を起こして政権を倒したことが一度もない国である。貴族社会から武士社会に移行したのは、今で言えば軍部のクーデターであり、また、明治維新は、武士という支配階級内の闘争でしかない。
つまり、日本人にとって、政治とは自分たちのものではなく、自分たちとは異なる支配階層のものなのである。これは、「国が責任を取るべき」と言うときに、「We」の意味で言っている人はほとんどおらず、基本的に「They」の意味合いが大半であることからもわかる。


日本の政治を立て直す必要がある、と最近強く言われているが、その立て直しのモデルは、案外、身近なところにあるのかもしれない。