批判される勇気

今月の日経新聞の「私の履歴書」は、前米大統領のブッシュ氏が書いている。知っての通り、ブッシュは9.11の同時多発テロ発生時の大統領である。「私の履歴書」に起用されることは数カ月前から決まっていたのだろうが、日本で大震災が起きた直後に、ブッシュが登場するというのは、なんとも言えない巡り合わせだと思う。


ブッシュは、9.11後、「テロとの戦い」というのを掲げ、イラク侵攻などを行なった。そのことには、世界中から批判も強く、ブッシュは間違いなく、21世紀では最も多くの批判を受けた人だろう。
しかしながら、何かのコンセプトを掲げ、それに基づく具体的なアクションを実施したことは事実である。当然ながら、そのアクションが過激であればあるほど、批判は強い。ただ批判される勇気がなければ、何のアクションも起こせない。


日本の政界では、このところ短期間での首相辞任が相次いでいるが、個人的な能力を批判される首相はいても、実行したアクションを批判された人はあまりいない。結局、批判される勇気がなく、具体的なアクションまで至っていない、というのが現実。


政治家だって、限られた知識しかない人間である。当然、神のように常に正確な判断を下せる訳ではない。ただ、何かのアクションは起こして欲しい。
それには、批判される勇気をもつこと。ブッシュのように、世界中から名指しで非難される覚悟がなければ、日本復興の指導者にはなり得ない。