日本でずっと買い占められてきたもの

水はなかなか手に入らないが、生活用品の買い占めは、だいぶ落ち着いてきた。
しかし、日本では長年にわたって、ずっと買い占められてきたものがある。


それがお金である。
僕自身も、つい最近まで貯金はよいことだと信じており、みんながきちんと貯金すれば、いい世の中が来ると思っていたのだが、実際は全く違う。過度に貯蓄をする人がいると、本当に必要な人にお金が回らない。
「無駄遣い」という言葉があるが、厳密な意味で「無駄」な消費というのはない。消費をしたその人にとっては何ももたらさないかもしれないが、そのお金が誰か別の人に移った、ということだけでも社会的には意味のあることなのである。


震災発生後、義援金がかなり集まっているが、被災者にとって義援金は一時的な支援にしかならない。その後、生活を営んでいくためには、持続的な売上なり収入なりが必要で、それは誰かが消費しないと回っていかない。
本当の意味での復興支援は、東北に旅行して現地でお金を遣ったり、東北で生産されたものを購入したりすることではないかと思う。


お金を「貯めておく」のではなく、「計画的にちゃんと遣う」ことが、称賛されるようになるといい。