サラリーマンの使命感

原発事故以来、東電幹部が非常に叩かれている。彼らの対応の何が、世間に怒りを呼ぶのだろうと、考えていたのだが、その一つが「使命感が感じられないこと」ではないかと思う。


東電幹部にそういう気持ちはないのだろうが、どうしても「こうなっちゃったのだから、しょうがない」的な姿勢が感じられ、「何としても事故を防ぐ」とか、「絶対に電力を供給する」といった使命感が伝わってこない。


ただ、世間一般で考えれば、自分の仕事に使命感を持ってやっている人というのは、決して多くはない。江戸時代の武士などと違って、サラリーマンはたまたまその会社に入っただけで、嫌になれば辞める自由もある。
僕自身も、ひどいプロジェクトから逃げ出したこともあり、常に使命感を持ち続けてきたかと言われれば、そうでないときもある。


東電の企業文化に多少の問題はあるのだろうが、電力会社といっても、その中にいる社員は所詮、普通のサラリーマンである。そんなサラリーマンに、高い使命感を期待しすぎても無理ではないだろうか。
さらに言えば、しゃかりきに働いているサラリーマンを「社畜」などといって蔑んでいる人が、東電の社員に文句を言うのは、どうも筋が通っていないように思う。