供給不足よりも

首都圏の電力供給不足のために、日々、計画停電が実施されている。各家庭や企業、店舗などでの節電も浸透してきているが、最も大きな問題は、どれくらい電力が消費されるかの需要を、供給者側が予測できないことにある。


電力の供給というのは、基本的に在庫を持つことができない。このため、予測される最大需要に合わせて常に電力を供給し、もしも需要が供給を一瞬でも上回ってしまえば、家庭のブレーカーが落ちるように、広範囲で停電が発生する。


こうした大規模停電を防ぐために、予め一定地域の供給を止めることが計画停電なのだが、結局、残りの地域でどれだけ電力が消費されるかはわからないので、供給者側は常に不安にさらされている。各家庭が節電に取り組んで、現在の消費量がある程度抑えられたとしても、供給者から見れば、その状態が続くという楽観的な想定はなかなかできず、かなり余裕を持たせて停電地域を増やさざるを得ない。


供給者の予測精度を高めさせるためには、各家庭や事業者の使用限度値を、強制的に下げられればいい(言い換えると、今までより少ない消費電力でもブレーカーが落ちるようにするということ)のだが、技術的に困難なのだろうか。
各家庭にとっても、一方的に停電にさせられるよりは、少ない電力でも使うことができる方が嬉しいのだが・・・。