これからの〇〇の話

サンデル教授の本で有名になったケーススタディで、「何もしなければ五人が亡くなり、進行方向を変えれば一人が亡くなる、という場合に進行方向を変えるべきか」というものがある。


登場人物が、全員見も知らぬ人だったら、五人を救うのが自然なのかもしれないが、もしもその一人が自分の家族だったり、サッカーのメッシのように稀有な才能を持つ人だとわかったら、なかなか判断が難しいのではないだろうか。


結局、世の中の物事は、判断基準を置かなければ、どちらとも判断できないことがほとんどである。


最近、やっていた「規制仕分け」というやつには、この判断基準が全くない。判断基準を置かずに、いきなり個別案件の判断をしようとするから、判断の整合性が取れないし、いくらでも反論ができてしまう。


本来、選挙のときに訴えるべきは、こういった判断基準なのである。個別事案を並びたてて、それをマニフェストだと言われ、承認を求められても、ある事案には賛成で、ある事案には反対というときにはどうしてよいのかわからない。


判断基準を選挙で承認し、その基準に基づいて、政治家が案を出し、官僚が実現化していく、というのが流れだと思うのだが、現実は・・・。