コンサルタントっぽいPowerPoint資料を書くコツ

僕は、一応コンサルタントという職種についているが、世間でコンサルタントというと、「PowerPointの資料を作るのが上手い人」というイメージがあるらしい(胡散臭いというイメージもあるが・・・)。そんなせいか、「PowerPointでコンサルっぽい資料を作るにはどうしたらいいんですか?」なんて聞かれることもあり、ちょっとまとめてみようと思う。


PowerPointできれいな資料を作る」というと、図形や色使いのセンスが必要だと思う人もいるのだけど、コンサルっぽい資料には、あまりそういったセンスは必要ない。色を基本的に1色しか使わないようなコンサルもいる。


コンサルっぽい資料で最も大事なのは、スライドの構成だと思う。コンサルタントの資料は、基本的に、
(1)タイトル
(2)リード文
(3)図や表
という構成で成り立っている。一見すると当たり前なのだが、(2)のリード文に気合を入れるか、適当に書く(もしくは何も書かない)かが、コンサルっぽい資料とそうでない資料の違いだと思っている。

上の画像に書いた通り、タイトルは「一言でそのページの内容を表したもの」、リード文は「そのページで何を伝えようとしているのか説明したもの」、図や表はそのページの詳細内容である。リード文を常に明確に書くようにしておくと、自分の中でも「その資料で何を言おうとしているのか」が明確になってくる。なので、どんなにくどく感じても、リード文を書くことをお勧めする。


例として、「WBCで日本が勝った要因」というのを説明する資料を1枚で作ってみると、こんな感じになる。

コンサルっぽい資料を作るコツをいくつか挙げると、

  1. タイトルで、そのページに何が書かれているか想像できるようにする。
  2. リード文で、そのページで何を伝えたいのかわかるようにする。
  3. 項目にはつながりを持たせられるよう、識別子を振る。
  4. 並列の項目は、記述・内容の粒度を揃える。
  5. 事実(前半)と意見(後半)の別がわかるようにする。

といったことがある。


タイトル・リード文は、上に述べた内容と重複するので説明は割愛。
3. 項目の識別子は、同じ資料中で同一の識別子を使わないことにも注意する。①が頻繁に出てくるようだと識別できなくなるので、英字やローマ数字などを活用する。
4. 記述・内容の粒度というのは、まず記述の粒度から説明すると、項目の見出しがすべて「○○の××」(例:岩隈の勝負強さ)という形で揃っているということ。これが1つだけ、「岩隈が大一番でプレッシャーに強かったこと」とか書くと、読む方としても変な印象を受ける上に、かっこよくない。内容の粒度というのは、勝負強さ・調子・求心力という3つの項目が、人の属性という1つのグループに属するということ。これが1つだけ「イチローの決勝打」とかなると、ちょっと粒度が他の項目と違うのは、わかると思う。
5. 事実と意見の別がわかるようにするというのは、少し応用的な内容だけど、どこまでが事実でどこからは事実を踏まえた自分の意見なのかというのを明確にしておくと、わかりやすい資料になる。

とりあえず思いつくのは、こんなところだな。内容を深めるのは大変だけど、基本的な形式だけ押さえておけば、コンサルっぽい資料はすぐに作れるようになると思う。