ソフトウエアの価値

現在、GoogleFacebookといったIT業界のメインプレイヤーは、その収入の大半を広告で得ている。このため、直接の利用者に対しては基本的に課金しない方針にしており、利用者はほとんどのサービスを無料で使える。


これは、利用者としてはとてもありがたいのだが、一方で、これらの企業の台頭で、ソフトウエアの価値というのが、わかりづらくなってしまったと思う。
Microsoftが業界の覇権を握っていた頃は、ソフトウエアを使うには利用者が対価を払わねばならなかった。Officeは数万円といった基準があったから、これぐらいのソフトだといくらくらい、みたいな感覚があった。


だが、無料で質の高いサービスが数多く提供されるようになると、利用者側にソフトウエアに金を払うという意識が薄れてきた。
iPhoneのアプリなどにしても、無料でここまでできるのか、というものが非常に多い。逆に言えば、ソフトウエアの価値に照らして、正当な対価を取れなくなってしまっているような気がする。


ITエンジニアには、あまり金に執着せず、自分が作りたいものを作れればいい、という人も多い。そういった人達がいることで、何とかマーケットとして成立しているのだが、正直あまり健全な感じはしない。多くの人が成果に見合う収入を得られるような環境作りをしていくことも、業界のメインプレイヤーに求められてくるのではないかなと思う今日この頃。