システム統合に必要なもの

みずほグループの二つの銀行である、みずほ銀行みずほコーポレート銀行が合併を発表した。金融業界としても、インパクトのあるニュースだが、システム業界としても、特需となるくらいの大型プロジェクトだと思う。


最近の金融機関の大プロジェクトとしては、三菱東京UFJ銀行のシステム統合「Day2」が有名。このDay2は、10万人月以上を投入した世界最大のプロジェクトだったが、みずほもこれ以上、システム障害を起こす訳にはいかず、テストにかなりの工数を投入せざるを得ない。


「システム統合は、やることは明確なのだから、なぜ難しいのかわからない」ということを耳にすることがあるが、システム統合には独特の難しさがある。
それは、何かを捨てる際の意思決定が、なかなか進まない、ということ。統合する際には、単純な足し算ではいかず、どちらかを残してどちらかを捨てる、といった判断が頻繁に求められる。
その意思決定に時間がかかっていると、進捗はどんどん遅れ、いつの間にか取り返しの付かない状態になる。


これを防ぐには、基本的だが、予め決定権者を明確にすることが必要。そして、三行の対等統合でできたみずほの長年の課題が、決定プロセスの一元化だっただろうと思う。
システム統合に必要な体制を整えられれば、それがイコール経営の効率化になっていく。