おもてなしの経営学

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

普段、中島聡氏のブログを読んでいるので、その流れで本も読んでみた。


id:rintaromasudaも書いている通り、対談の内容がとても面白い。特に西村博之氏(2ちゃんねるの運営者)がGoogleを半ば醒めた目で評価しているのが、興味深かった。


僕は会社のニュータイプとしてのGoogleなどでも書いているようにGoogle賞賛派であり、それは今でも変わらない。ただ、西村氏の発言はGoogleの一面を的確に表現しているとも思う。
たとえば以下のような発言。
将来的に見ると、僕はグーグルにしかない価値が何なのかわからない。誰でも作れるものがグーグルのプロダクトになっている。ウェブ・サービスを提供している限り「グーグルにしかできないもの」はない。だからグーグルの将来性がいまいち見えないんですよ。
僕は「グーグルは何も考えていない」派なんですよ。グーグルって面白いプロジェクトなら、けっこう何でも好き勝手にやっていいよって社風があるじゃないですか。方向性を考えずに何となくやりたいからやってみる。そこにお金を使っているだけのような気がするんです。
学園祭のノリみたいに楽しいことを和気あいあいと長時間やるのが好きという人なら、グーグルは全然ありですよね。
Googleはエンジニアの楽園を作り上げ、それで収益も上げ会社として成立させているという点を、僕はすごいと思っている。だが一方で、エンジニアの楽園というのはビジネス的に一種の幼稚さが伴っているというのも事実。そのことに西村氏の発言で気付かされた。


この本を読んでおそらく多くの人が感じることは、マイクロソフトの会社としてのすごさ。大規模な開発プロジェクトをあれだけ成功させたということと、莫大な収益を自動的に生むメカニズムを作り上げたということでは、他に並ぶものはない。
エンジニアはGoogleに憧れるが、経営者が目指すべきはMicrosoftだろう。