実現力クラウド?

NECのCMで、「クラウドを使って、今までにない顧客サービスを」みたいな内容のものがあり、最後のフレーズが「実現力クラウド」というものがあった。
正直言って、「石川遼のような生命保険」と同じくらいの抽象的な内容で、思わず少し笑ってしまった。


クラウドの効果というのは、システム利用者の視点では、ネットワークに繋がれば、どこからでも同じデータにアクセスできるということであり、企業の視点では、システムを自社で保有しないという選択肢が増えたということ。
それ以上でも、それ以下でもない。


前述のNECのCMは、主に企業をターゲットにしたものだが、オフィスを自社ビルにする以外に、賃借するという選択肢が増えたとして、それが革新的なソリューションになるだろうか。
机やPCまで貸してくれたり、社員を雇用するだけでなく、派遣という形を取る。クラウドを既存のサービスに当てはめれば、その程度のものなのである。


単なるシステムのレンタルを、「クラウド」なんて呼ぶから、夢を見てしまう人が出る。その誤解を解くべきIT企業が、率先して夢を見させるようなプロモーションをしているのが、ちょっと不満な今日この頃。