秘伝
- 作者: 村松恒平
- 出版社/メーカー: メタブレーン
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
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第一作の「秘伝」と第二作の「文章王」は、僕にとって、文章を書くうえでのバイブルといってもいい。この本に出会えたことで、自分の文章や表現がかなり向上したと思う。
文章の構成の仕方や、わかりやすい文章の書き方といったことをテーマにした本は、世に数多く出ているが、この本はそういった本とは次元が違う。「文章を書く」とはどういうことか、「表現する」とはどういうことか、といった哲学的なテーマにかなり踏み込み、しかもその回答を非常に具体的な言葉で語っている。
質問者に対して、ときに辛辣ではあるが、真摯にかつ明瞭に答えており、「ここまで核心を突けるか」と何度も唸らされた。
感嘆させられた箇所はとても多いが、その中でも僕が結構好きなところを1つ紹介する。
「文章がひとりよがりなものになってしまい、自分の頭の中でだけ筋の通った文章を書く癖がなかなか治りません」という質問者に対しての回答。
「自分の頭の中でだけ筋の通った文章」とは何か?
それは客観的には実は「筋の通っていない文章」だということになります。あなたは筋の通った文章を「書けない」のです。
それを持って回って言うから、事態は一見複雑に見えるのです。
このメルマガは基本的には作家志望の人を対象にしているが、ビジネス文書でも何でも、文章を書くことに少しでも興味がある人なら、この本のどこかは心に響くと思う。
僕のブログの、文章に関するエントリも、ほとんどはこの本の内容をベースにして、少しだけ味付けをしたもの。多少でも興味を持ってもらえたなら、是非、本家の方をお読みください。。。