たかが助詞、されど助詞

日本語でわかりやすい文章にするコツの一つは、助詞を省略しないことだと思っている。日本語は、語順に対しては、ほとんどルールがなく、英語のように、「文章の始めは、基本的に主語がくる」といったことはない。なので、その単語が主語なのか目的語なのか補語なのかを決めるのは、「は」や「を」、「に」などの助詞であるのだが、この大事な助詞を省略できてしまうところが、日本語の難しさ。


例えば、「明日3時、田中さん訪問」といったメモを渡されることはあると思う。ただ、このメモを見ただけでは、田中さんが訪問してくるのか、田中さんを訪問することになったのか、わからない。
こういう誤解を防ぐためには、常に意識して助詞を省略しないことが重要。


ここまでの話は、一般的にもよく言われることだが、最近悩んでいるのが、「は」という助詞が暗黙的に、限定の意味を持ってしまうこと。どういうことかと言うと、「僕は、体育は得意です」と言うと、「他のものは苦手だけど、体育だけは得意」といったニュアンスになってしまう。
「僕は、体育も得意です」と言うと、他のものも得意だし、さらに体育も得意、というニュアンスになってしまう。他のもののことは全く示唆せずに、体育だけのことを言いたいときに、うまい表現方法がない。


英語を直訳した感じで、「僕は、体育を得意としている」と言うことはできるが、どうにも堅い感じが拭えない。なので、やむを得ず、「僕は体育、得意です」と言っている。
そんなつまらないことを、色々考えた今日この頃。。。