ゲーム理論トレーニング

ゲーム理論トレーニング

前々からゲーム理論に興味があったので、思わず本屋で手にとってしまった本なのだが、とても面白かった。ゲーム理論の本というと、色々数式が出てきて、読み進めるのに時間がかかるものが多い。しかし、この本はできるだけ数式を使わず、誰にでもわかるように書かれている。


「囚人のジレンマ」というのがあまりにも有名になってしまったゲーム理論だが、ゲーム理論を一言で言えば「かけひきの攻略法」である。単なるかけひきを、ノーベル賞を受賞できるレベルまで理論化してきた欧米社会に、日本人が交渉で勝てないのは当然なのかもしれない。


戦争を回避するためには、逆説的だが、戦争を仕掛けるという姿勢を見せないといけないという記述が興味深かった。ここから考えると、絶対に戦争をしないと定める憲法9条が、ゲーム理論的にはあまり賢い選択ではないということに気付く。


北朝鮮との拉致交渉でも、かけひきのやり方を工夫すれば、もっとうまくできるはず。たかがかけひき、されどかけひき･･･。